身の回りに溢れる未利用熱を
次世代のエネルギー源へ
開発背景について
日本の燃料輸入量
年間約20兆円分
資源に乏しい我が国は、年間約20兆円分の燃料を輸入に頼っている。そして、そのエネルギー変換過程において約3割、すなわち6兆円分が排熱となり未利用なままに処理されている。 我々GCEが挑戦するのは、この未利用排熱を電力へと変換する、全く新しいエネルギー変換テクノロジーの確立と普及であり、次世代社会への貢献です。
未利用熱の発生源
室温・体温
電子機器発熱
駆動部発熱
工場排熱
発電所排熱
国内のエネルギー損失
6兆円分
3割が未利用熱として排出している。
これまでの熱エネルギーを
電力へ変換する技術
蒸気タービン
高温熱源150℃以上
ゼーベック素子
大型化× 薄型化× 高出力比×
熱エネルギーを電力に変換する技術としては、蒸気タービンやゼーベック素子がよく知られています。前者は大掛かりな装置と150℃以上の高温熱源が必要となること、後者は温熱源に加え冷熱源が必要となり、また変換効率の向上や大面積化が普及の課題とされます。
アンビエント発電
GCEでは、全く新しい概念である
“アンビエント発電”の実用化に
挑戦しています。
この新技術の実用化は、発電所や工場での排熱活用のみならず、空気がもつ熱、すなわち気温・室温による発電も可能とさせる。まさに、夢のテクノロジーである。既に、年間数十兆個レベルの爆発的な普及が予想されるIoT電源として市場の期待を集めており、将来的には日常生活のあらゆるシーンの電力源として、また発展途上国における究極の自律分散電源として持続的社会の実現に貢献していきたい。
天候や場所に左右されない
アンビエント発電は、夜でも雨が降っていても熱源さえあれば発電可能であり、太陽光発電や風力発電のように天候に左右されません。また発電所も不要なため、場所を選ばずに発電することが可能です。
従来の再生可能エネルギーに比べ
コストがかからない
アンビエント発電は、大規模な装置が不要かつ積層化が可能であるため土地の利用効率が上がること、そして材料に半導体ではなく独自の「ナノ粒子」を用いることで、従来の再生可能エネルギーに比べコストを抑えることができます。
熱源さえあれば発電可能な新しい発電技術
温度差不要の熱電変換技術
発電デバイス構成図
温度差不要の熱源変換技術は二つの電極とナノ粒子が分散した溶媒から構成され、一方の電極から放出される電子が金属ナノ粒子を介して他方の電極にホッピング現象により伝搬することで発電。
出力特性(積層化、アレー化)
素子の組み合わせで
出力増大が容易に実現
素子直列接続する事で電圧が増加
素子並列接続することで電流が増大
素子構成は非常にシンプル
我々GCEが取り組む“アンビエント発電”は、小型・薄型化・大面積化・積層化が原理的に可能であり、また温熱源さえあれば(温度差を用意できなくとも)発電が可能となる、全く新しい原理のテクノロジーです。
熱電素子サンプル
パッケージ封止 信用性確保
(14mm×14mm×1.5mm)
素子基板実装 使いやすさ
積層素子基板実装 積層化 / 出力電圧増大
素子アレー実装 アレー化 / 出力電圧増大
LED点灯デモ
4層積層素子
熱電素子応用展開
GCEが目指すこと
当社のアンビエント発電はさまざまなシーンでの活用を期待されています。実用化に向けてさらなる出力向上を図るため、量子デバイス技術者やナノ粒子技術者、高速・大面積製造技術者が異分野融合で研究開発に取り組み、国内外の大学や研究機関、企業とのオープン・イノベーションも積極的に推進しています。
GCEではナノテクノロジーによる
革新的クリーン発電を通して、
3つの実現を目指します。
発電所や工場などの排熱利用
IoTセンサ向けの半永久電源
究極の自律分散電源
事業ロードマップ
IoT電源
- 2023〜
室温・体温
開発結果による提供価値
室温でも発電可能な半永久電源
発熱活用電源
- 2025〜
〜85℃
開発結果による提供価値
発熱回生省エネシステム
排熱活用電源
- 2030〜
〜150℃
開発結果による提供価値
排熱応用高効率新コンバインドサイクル
蓄電池代替電源
- 20XX〜
自律分散電源
- 20XX〜
“自律発電”を可能にする
「アンビエント発電」とは?
体温で発電する温度差発電技術
(ゼーベック効果)、しかし課題も
充電ストレスを解消するデバイスとして、体温とデバイスの間の温度差を利用して発電するゼーベック(熱発電)を利用したスマートウォッチ等が登場しています。しかし、温度差を利用しエネルギーを生み出すため、肌に着用している必要があり、スマートフォンなど他のデバイスには応用しにくい点が課題と言えます。
このような課題を解決するのが、GCEインスティチュートが取り組む「アンビエント発電」という新しい発電技術です。アンビエント発電は、大掛かりな装置や高温熱源はもちろん、温度差も必要ありません。大気中の温度のような熱源さえあれば自律発電を行うことが出来、より便利で快適な生活が実現しようとしています。
充電という言葉が消える!?
スマートデバイスの
自律発電で充電フリーの社会へ
現代社会で欠かせないツールとなったスマートフォンやスマートウォッチなどのモバイル機器。日常生活はもちろん、特に災害時等には充電がないと連絡が取れなくなってしまうなど大きなリスクも。温度さえあれば自律的に発電可能なアンビエント発電がスマートデバイスに実用化されるようになれば、充電する必要さえも無くなるストレスフリーな時代が実現します。
社会問題にも貢献?
「超高齢社会」も支える
アンビエント発電
充電が切れることが致命傷にも!
ニーズが高まる介護ロボットも充電不要に?
日本は間もなく人口の5人に1人が75歳以上の後期高齢者となり、「超高齢社
会」の到来を間近に控えています。一方で、2025年には31万人、2035年には68万人の介護従事者が不足するという介護現場の人手不足が深刻化しており、近年人手不足の課題を解消する介護ロボットに注目が集まっています。
介護ロボットは、移動や乗り降りのサポート、見守り機能が付いたものなど介護者と要介護者双方へメリットをもたらしてくれます。その一方で、介護ロボットはバッテリー充電式のものが多く、充電が切れてしまうと最悪命に関わる事態へとなり得ます。
アンビエント発電を介護ロボットにも活用することにより、充電切れのリスクも無く安全性高まるだけでなく、災害時や停電時にも使用することが可能になります。
環境問題にも!エネルギーの
「地産地消」が当たり前の社会を実現?
EV車の充電難民問題も解決?
近年、カーボンニュートラルの流れを受け国内の自動車メーカー各社が電気自動車(EV)をリリースし、またガソリン代の高騰などを背景に、従来のガソリン車からEV車へシフトする人が増えています。
年々性能は向上し、1度の充電で走行できる距離は伸びているものの、国内でEV車を充電できる場所が十分ではないという、「充電インフラ問題」が課題に。EV車のバッテリーの排熱を有効活用し、アンビエント発電をEV車に取り入れることで、ガソリンの給油も充電の心配も必要ない未来が実現するかもしれません。
再生可能エネルギーの
デメリットを解決!
導入が進む家庭における
太陽光発電、しかし課題も。
環境問題への意識が高まる中、東京都では、一戸建て住宅を含む新築建物に太陽光発電のパネルの設置を年度内にも義務化する方針で、ますます今後普及が広がっていくことが予想されます。一方で、太陽光発電には「天候に左右される」などの課題も。
「天候」や「面積」に左右されず
安定的にを賄うことが可能に
アンビエント発電は雨が降っても温度さえあれば発電可能であり、安定して発電が可能です。また、太陽光発電のように大きな面積も必要としません。現在、太陽光発電により電力をまかなっている家庭があるように、将来アンビエント発電だけで家庭用の電力(約3~5kw程度)をまかなえる可能性があります。
太陽光発電とのハイブリッド
発電で発電量を約2倍に
また、太陽光パネルの裏側には無駄になっている多くの“熱エネルギー”が存在しています。その熱エネルギーをアンビエント発電で活用することで、効率よく発電することが可能になります。1mの太陽光発電にアンビエント発電を10層重ねることで、発電量が80%増加するというデータがあり、パネル設置の面積を十分に取れない家庭でも十分な発電量を確保することができます。