Nanoparticle

ナノ粒子

GCEはイノベーションの先に
大きな未来像を描いています

GCEはイノベーションの先に
大きな未来像を描いています

開発背景について
Development background

 
初めは全く別の研究テーマの中で、安全を確認するための試行実験を行ったところ想定していなかった現象が見られたというのが本開発に取り組むきっかけとなりました。 その際と同じ反応を応用することで、水溶液中から金ナノ粒子が形成することが確認されました。当時、 溶液の色が無色透明から赤色に変化するところを見た時にはとても感動したのを 覚えています。
 
株式会社 GCEインスティチュート
主幹研究員 博士 (工学) 中村 貴宏
 

Tuning the Nanoparticle Structure

チューニング可能なナノ粒子

Tuning the Nanoparticle Structure

チューニング可能なナノ粒子

レーザー誘起核生成法
Laser induced nucleation method

GCEのインスティチュートのナノ粒子は、複数の化学物質を投入して作る方法とは違い、溶液にレーザーを照射するのみで作ることができるため、安全性の高さと同じ品質で連続合成が可能な点が特徴です。また、周期律表に示される金属のナノ 粒子だけでなく、複数の金属の特徴をあわせ持つ合金ナノ粒子の合成も可能です。 ナノ粒子は通常、単独で存在することが難しく不安定であるため活用の幅が限られてしまうことが課題ですが、GCEのナノ粒子は未修飾のまま安定に存在し、様々な素材と組みあわせることができることから、より幅広いシーンでの活用が期待されています。

Color Change

まるでワインのような色変化

薄黄色からロゼ、そして赤色に。

Color Change

まるでワインのような色変化

薄黄色からロゼ、そして赤色に。
ナノ粒子ができるまで
Laser induced nucleation method

ナノ粒子は液体にレーザー光を照射することにより生成されます。粒子が非常に小さいため、ナノ粒子自体を肉眼では見ることは出来ませんが、液体の中に無数に存在するナノ粒子を、分散液の色で観察することが出来ます。

金前駆体水溶液にレーザーを照射し始めたばかりの液体は薄い黄色。

ナノ粒子が生成されると 液体の色がロゼに。

液体にナノ粒子が増え、赤色に変色。

金属イオン溶液中への高強度レーザー
照射により,金属ナノ粒子を作製

• 室温,大気圧下で連続合成可能
• 還元剤フリー
• バルクでは固溶しない合金も組成を 制御して作製可能
• 表面修飾材,溶媒の選択が可能

塩化金酸水溶液へのレーザー照射 (160倍速)

 

塩化金酸水溶液 5.0×10-4 mol dm-3, 100 mL
照射条件100 fs, 6.5 mJ, 1 kHz, 90 min
f = 50 mm

Metals and Alloy Nanoparticles by Laser-induced Nucleation Method

レーザー誘起核生成法により
作製される金属・合金ナノ粒子

特性制御 金-銀合金ナノ粒子

レーザー誘起核生成法により作製される金-銀ナノ粒子コロイドの色は、溶液の混合比に応じて金ナノ粒子コロイドの赤色から銀ナノ粒子コロイドの黄色へと系統的に変化しており、組成が制御された金-銀合金ナノ粒子が作製されていることが示された。

構造制御 金-白金合金ナノ粒子 (X線回折)
Structural control

 
 
 
 
 


通常の手法では、金と白金は混ざり合うことはないがX線解析測定結果では金と白金のピーク位置の間に一つのピークが見られ、お互いが完全に混ざり合っている結果が確認された。

ロジウムーパラジウム合金

透過型電子顕微鏡
環状暗視野像
ロジウム
パラジウム
結合像

透過型電子顕微鏡観察結果から、一つ一つのナノ粒子中にロジウムとパラジウムのそれぞれが均一に混ざり合っている結果が確認された。

Producing Alloy Nanoparticles of Various Combinations

様々な組み合わせの
合金ナノ粒子の作製が可能

一般的なナノ粒子の作製手法である化学還元法では金属の前駆体に対して、還元材を用いるが、ナノ粒子の形成後には還元材が不純物となるため、取り除かないといけない。しかしGCE独自のレーザー誘起核生成法では、室温大気下でレーザーを照射するだけで連続的にナノ粒子の製作が可能になり、状態図にない合金を簡単に作ることができる。

Gold Nanoparticles with High Dispersion Stability Without Dispersant

分散材フリーで安定な
金属ナノ粒子コロイド

レーザー合成金ナノ粒子コロイド水溶液の経時変化
Structural control
 
 
作製直後1ヶ月放置した吸収スペクトル
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

アルミナ上に担持した金ナノ粒子

レーザー合成金属ナノ粒子は未修飾のまま安定なコロイド分散液を形成、様々な組み合わせのハイブリッド材料の作製も可能。

Surface Modification of Solid Solution Alloy Nanoparticles

全率固溶合金
ナノ粒子の表面修飾

ナノ粒子分散液: Au50Pt50, 30 mL
有機溶液: n-hexane
表面修飾剤: ドデカンチオール (CH3(CH2)11SH), 8.57×10-5 mol dm-3
混合条件: 300 min-1,90 min

 
修飾前

 
修飾後

所望の修飾剤で修飾した金属ナノ粒子を所望の
溶媒に分散した コロイド溶液の作製が可能。

 
 
 
 
Comparison with Other Nanoparticle Manufacturing Technology

他社ナノ粒子
製造技術との比較

作製方法 化学還元法 液相レーザー
ブレーション法
複合ドライプラズマ法 レーザー誘起核生成法
金属の選択 ×
組成制御 ×
×
組成制御 × ×
粒径均一性
表面修飾剤の選択 × × -
溶媒の選択 × × -
生産性 ×
※現在の生産効率: 20-30 mg/h (レーザー 一台当たり)
Raising Fabrication Efficiency of Nanoparticles

ナノ粒子の作製効率向上

改善検討開始当初 3 mL
反応容器合成

 - 2021.4 

 
 
 
 
 
 
~1 mg/h
反応容器大型化
レーザー照射条件改良

 2021.8 - 

 
 
 
 
 
 

~7 mg/h (x7)

照射光学系の改良

 2021.10 - 

 
 
 
 
 
 

~20 mg/h (x20)

 2022 - 

100 mg/h

レーザー光学系最適化

 2023 - 

1,000 mg (1g)/h

The Possibilities of Nanoparticles

私たちの生活を変える
ナノ粒子の可能性

水素エネルギー社会の実現へ寄与

 

ナノ粒子を触媒材料として応用する際の課題として、高温領域で構造安定性に 乏しい点が挙げられます。しかし、ナノ粒子を合金化することにより、従来では低温 領域でしか使用することのできなかったナノ粒子の適用温度範囲を、より高温に拡 張することも可能にします。また、これまでにない触媒作用の発現や複数の触媒反 応なども期待されます。
 
他にも、ナノ粒子によって高密度の水素を化学結合によって水素化物という安定 な形で安全に貯蔵できるため、 大規模な水素輸送やデバイス用燃料電池への実 用化を可能にし、水素エネルギー社会の実現に寄与すると考えられます。

ウイルス検査の精度向上

 

近年の新型コロナウイルスの流行により、簡単かつスピーディーにウイルスの有無を 検査することができる抗原検査キットが広く普及しています。一方で、PCR検査の 結果との齟齬が起きることも。金属粒子の代わりに、合金ナノ粒子を活用することで、安定的かつ高感度な診断が可能となることも。
 
また、GCEインスティチュートの合金ナノ粒子を応用することにより、今後より一般化 されるであろうウイルス検査薬の使用に伴い価格が高騰している金の消費量低減 にも繋がります。

副作用の少ない「がん治療」の実現

 

ドラッグデリバリーシステム (DDS) とは、必要な部位に薬をピンポイントで届けるための 仕組みです。GCEインスティチュートのナノ粒子は原料以外の薬剤を使わない製法で 作製するため、ナノ粒子をDDSとして応用する場合、安全性が高く機能性を付与しや すい特徴があります。例えば、抗がん剤を磁性ナノ粒子と結びつけることで、磁力で薬を患部へ誘導することができ、副作用を抑えた治療が可能となります。
 
温熱療法に用いる場合には、従来のナノ粒子材料に比べて外部からのエネルギーを 効率的に吸収することで、少ないエネルギー、少ないナノ粒子材料で効果的な治療を 可能とすることも期待されます。

The Trigger To Innovation

イノベーションの起爆剤

GCEインスティチュートが開発する『ナノ粒子』

注目を浴びるナノ粒子市場

 
金属ナノ粒子は、各産業分野におけるイノベーションの起爆剤として強い期待が寄 せられ、年間3兆円規模で約16%の成長が見込まれているなど現在も過渡期に あります。具体的には、スマートフォンなどの電子デバイスのさらなる小型化・低コスト 化や身の回りの化粧品や抗菌技術、触媒化学においては、持続可能社会に貢献 する開発研究も進んでいます。

アンビエント発電におけるナノ粒子の仕組み

 

GCEインスティチュートが開発するアンビエント発電デバイスは、2つの電極とその間 のナノ粒子の分散体から構成され、一方の電極から放出される電子が、ナノ粒子 を介して他方の電極にホッピング現象により伝搬することで発電します。ナノ粒子の 特性をコントロールすることでデバイスの安定性や特性を向上することができます。
 

Innovative Clean Energy with Nanotechnology

ナノテクノロジーによる
革新的クリーン発電

VISION

GCEが目がすこと

GCEではナノテクノロジーによる
革新的クリーン発電を通して、
3つの実現を目指します。